秘密のカギ

よしむら

こどもの頃住んでいた社宅のマンションには
独身社員専用の部屋があり、

入居者が居ない時期は
その部屋の鍵と一緒に、お風呂と部屋の掃除当番が

順番にまわってきていた

 

わたしはその当番の日をちょっとだけ楽しみにしていた

父が普段は滅多にしない悪ふざけな顔で
「あの部屋のお風呂に入りに行こう」と誘うからだ

 

自分の家のお風呂とはちがう
最上階の部屋のお風呂

 

ちょっとだけ悪いことをしているような
秘密の 楽しみだった

 

秘密のカギ

 

よしむら

毎週金曜日の夜にお届けする
メルマガ限定読みもの
【BUY!ブル】 配信中です
メルマガ配信のご登録はこちらから