母の手書き(つづき)

よしむら

母の手書き のつづき)

わたしの持ち物に記された
全てひらがなの手書きの文字は

そこに居なくても
母がまるで近くにいるような気がして

ただの8文字 なのに
「 大丈夫よ 」と話しかけている気さえ した

 

いつだったか

お弁当をひとりで食べているときに
包みの布巾に書かれた ひらがなの ”む”という文字を
ぼーっと眺めながら

安心した気持ちになった

のを覚えている

よしむら