年齢に、たしなみが追いついて｜「ミディコート」
同じ坂道でも
ゆっくりと歩幅を確認しながら登ったり、下ることができる坂もあれば
じぶんでブレーキをかけるのを苦労するほどの
急こう配の坂もあって。
まるで人生の上り下りを現しているようで
坂というものにフォーカスすると
少し感慨深い気持ちになるときがある。
足がパンパンに張るような坂は、
気持ちにも負荷がかかっているだろうし、
すっすっすとリズミカルに上り下りできるときは、
ストレスを感じず、軽い足取りが嬉しい時もある。
年齢を重ねて、気持ちにゆとりが生まれると
気付けばその落差は小さくなっていた。
お気にの洋服を身にまとっているだけで、
落ち込んだ気持ちが少しカバーできる気がするし、
嬉しいことがあった日は、風船みたいに気持ちも軽やかになる。
身につけるものからの影響は思った以上に大きいし、
気持ちのジェットコースターも
何とか乗りこなせるようになっているものだ。
だから、年齢を重ねた人々から良く耳にするのは
「これからは好きなものだけを選ぶ」とう一言。
シンプルだけれど、気付いた時には、
ふかく胸にささることばなのだろう。
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